飲食料品製造業は特定技能1号の対象16分野のひとつで(2026年1月に3分野追加が決定し計19分野・新3分野は2027年頃開始見込み)、食品製造現場の慢性的な人手不足を背景に設けられた分野です。所管省庁は農林水産省です。
飲食料品製造業の特定技能は、食品製造現場での大量採用ニーズが多い分野として知られています。惣菜・パン・菓子・水産加工・飲料・農産物漬物など食品製造全般が対象であり、2026年4月の制度改正により食肉小売業の一部も対象に加わりました。
他の多くの分野と比べた特徴として、①技能実習(食品製造系職種)からの移行ルートが比較的取りやすい、②事業所単位の人数枠がない、③特定技能2号がある、④直接雇用のみ(派遣不可)、という点が挙げられます。
【受入れ上限に関する注意】飲食料品製造業は受入れ見込み数の上限に近づいており、今後新規受入れが停止される可能性があります(外食業は2026年4月に停止済み)。採用を検討する場合は早めに、かつ最新の受入れ可否を出入国在留管理庁でご確認ください(2026年6月時点・断定ではありません)。
飲食料品製造業の特定技能で従事できる業務は、食品・飲料の製造・加工工程全般です。主な対象業務・対象事業所の例は以下のとおりです。
| 対象業種・品目の例 | 主な業務内容 |
|---|---|
| 惣菜製造業 | 惣菜の製造・加工、下処理、加熱調理、盛り付け、包装、衛生管理 |
| パン・菓子製造業 | パン・洋菓子・和菓子の生地製造、成形、焼成、仕上げ、包装 |
| 水産加工業 | 魚介類の加工(切身・塩干・缶詰・冷凍食品等)、品質管理 |
| 農産物漬物製造業 | 漬物の製造・加工(塩漬け・ぬか漬け等)、衛生管理 |
| 飲料製造業 | 清涼飲料・果実飲料・酒類等の製造・充填・品質検査 |
| 食肉加工・乳製品製造 | 食肉の加工・カット・包装、乳製品の製造・充填等 |
これらの製造・加工業務に付随する衛生管理(HACCPに基づく衛生管理等)も業務に含まれます。ただし飲食店での料理・接客など外食業の業務は対象外です。自社の業務が対象に該当するかどうかは、農林水産省の運用要領(特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領)でご確認ください。
飲食料品製造業の特定技能外国人の雇用形態は、受入れ機関との直接雇用に限られます。人材派遣会社を経由した派遣就労は認められていません(農業・漁業の2分野のみ派遣が例外的に可能)。食品製造会社が自社で直接雇用し、自社の製造現場に従事させる形態が対象です。
飲食料品製造業の特定技能1号を取得するには、以下の試験への合格が必要です。
| 試験 | 内容・実施概要 |
|---|---|
| 飲食料品製造業技能測定試験 | 食品の製造・加工に関する技術知識(衛生管理・製造工程等)。OTAFFが実施。国内外で実施 |
| 日本語試験 | JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)またはJLPT N4以上 |
飲食料品製造業の技能測定試験はOTAFF(一般社団法人外国人食品産業技能評価機構)が実施しています。試験は筆記と実技(またはCBT方式)で構成されており、合格点は65点以上(100点満点)が目安とされています。受験の日程・方法・実施国の詳細はOTAFF公式サイトでご確認ください。
飲食料品製造業は、技能実習制度の食品製造系職種との対応が比較的幅広く設けられており、自社の技能実習生を移行しやすい分野のひとつとされています。
技能実習2号を良好に修了した方:飲食料品製造業の特定技能に対応する食品製造系の技能実習職種(惣菜製造業・水産加工業・農産物漬物製造業・パン製造・缶詰巻締などの対応職種)で技能実習2号を良好に修了した方は、技能試験・日本語試験が免除され、特定技能(飲食料品製造業)への在留資格変更が可能です。紹介手数料・渡航費が発生せず、コストを抑えやすい経路です。
ただし、免除が認められるには技能実習の職種が飲食料品製造業の業務区分に対応していることが必要です。職種と業務区分の対応関係については、農林水産省・出入国在留管理庁の運用要領をご確認ください。
食品製造系の技能実習生を複数受け入れている企業にとっては、技能実習修了後に特定技能として継続雇用する流れが、採用コスト・定着率の両面で有利になるケースがあります。詳しくは「技能実習から特定技能への移行ガイド」をご覧ください。
飲食料品製造業で特定技能外国人を受け入れる事業者は、全分野共通の要件に加えて、以下の分野固有の要件を満たす必要があります。
受入れ機関全般の要件(欠格事由・雇用契約条件・支援体制等)については「特定技能の受け入れ要件【企業側の条件・2026年版】」をご覧ください。
飲食料品製造業の採用コスト(海外新規・国内在留・技能実習移行)を経路別に無料試算できます。
特定技能の採用コストを無料試算する →飲食料品製造業の特定技能1号には、介護分野・建設分野のような事業所単位の人数枠は設けられていません。自社の雇用能力・業務量に見合った人数を採用することが可能です(ただし、雇用契約・支援体制などの要件はすべての受入れ人数について満たす必要があります)。
一方、政府が定める分野全体の受入れ見込数(目標値)は存在します。外食業では2026年4月に上限に近づいたことから新規受入れが原則停止されましたが、飲食料品製造業は2026年6月時点で新規受入れが継続されています。最新の受入れ状況については、出入国在留管理庁の公表情報を定期的に確認することをお勧めします。
飲食料品製造業の採用費用は建設分野と異なり、JAC負担金等の固有負担金はありません。以下はあくまでも目安です。実際の費用は採用先の国・地域・委託先・個社の条件等により異なります。 飲食料品製造業の採用費用を試算すると、経路別の初年度総額の目安を確認できます。
| 費用項目 | 目安額(1名) |
|---|---|
| 人材紹介・送り出し機関手数料 | 30〜100万円 |
| 在留資格申請費(行政書士報酬) | 10〜15万円 |
| 渡航費・住居初期費用等 | 15〜45万円 |
| 登録支援機関 支援委託費(年額) | 24〜36万円 |
| 費用項目 | 目安額(1名) |
|---|---|
| 人材紹介手数料 | 0〜80万円 |
| 在留資格変更申請費 | 5〜15万円 |
| 登録支援機関 支援委託費(年額) | 24〜36万円 |
| 費用項目 | 目安額(1名) |
|---|---|
| 在留資格変更申請費 | 10〜15万円 |
| 住居費(継続の場合は追加なし) | 0〜10万円 |
| 登録支援機関 支援委託費(年額) | 24〜36万円 |
費用の詳細な内訳や試算は「特定技能の採用費用はいくら?経路別に徹底解説」および無料試算ツールをご活用ください。
飲食料品製造業には特定技能2号が設けられています。2号を取得すると在留期間の更新に上限がなくなり、家族帯同も可能になります。
2号の取得には熟練した技能の証明が必要で、飲食料品製造業分野特定技能2号評価試験への合格等が求められます。食品製造現場での長期的な人材定着を考えている企業は、採用後のキャリアパス(1号→2号)について外国人と共有しておくことが、離職防止・定着促進につながると考えられます。
飲食料品製造業は食品製造現場の人手不足が深刻であり、複数名を同時に採用したいというニーズが多い分野です。事業所単位の人数枠がないため、自社の生産規模・雇用能力に応じた採用計画を立てやすい点が特徴です。
ただし、特定技能外国人の人数が増えるほど、支援体制(登録支援機関への委託費・定期面談・届出)や雇用管理の負荷も比例して大きくなります。複数名を一度に採用する際は、以下の点を事前に整理しておくことをお勧めします。
これらの管理体制が不十分な場合、出入国在留管理庁への届出遅延・支援義務の不履行が生じるリスクがあります。大量採用を計画している場合は、登録支援機関や行政書士との連携を早めに検討することをお勧めします。
飲食料品製造の特定技能採用に対応する人材会社・登録支援機関をご紹介します。条件・費用の比較ができます。